maka(マカ)

京都府立植物園の近くに建つ昭和レトロなマンションの一角。うっかり見逃してしまいそうなほど控えめに看板を掲げる「maka」は、悩みに寄り添いハーブと人をつなぐ専門店です。

レモングラス、ローズヒップ、フェンネルなど種類は豊富。味と香り、色など、ハーブの状態に重きを置いてブレンドします(画像上)。もっとハーブティーを気軽で身近なものにしたいと、ティーバックタイプも販売。水出しでも楽しめます(画像下)。

少量から試せる気軽さがうれしい

わざわざ東京からも訪れるというお客さんたちがこぞって買い求めるのは、アロマセラピストでオーナーの樫田幸枝さんが「自分の感覚を信じブレンドする」というハーブティー。季節によって変わることもあるハーブを約40種類取りそろえ、眠りやすくなる、朝の目覚めを良くしてくれる、旅先で役立つなど、テーマを決めて調合しています。販売は10gからの量り売りで、少しずつ試せるシステム。体や心の不調に応じてオリジナルにブレンドしてもらうこともできます。ハーブの独特な味が気になるという人には、ドライフルーツをプラスしたものがおすすめ。穏やかな甘みがクセをやわらげ、やさしくのどを潤してくれます。「奇をてらったことはせず、日常に溶け込むお茶を目指しています」と話す樫田さん。飲みやすさから、リピーターが多いそうです。

「ハーブが私の体に響いたことが、この世界に足を踏み入れることになったスタート。掘り下げていくとおもしろいですよ」(画像上)。時に薬にもなるというハーブ。樫田さんはハーブを取り入れ、病院に行かなくなり、感覚が鋭くなったそう(画像下)。

生活のワンシーンにハーブを

樫田さんがハーブの勉強を始めたのは東日本大震災がきっかけ。「以前から体調を崩したときなどに友人の勧めでハーブに頼ることはありましたが、特に気に留めていませんでした。でも、震災後に身辺でいろんな変化が起きたときに体が自然と香りを求めるように。学んでいくと、香りは人が生きるうえでとても重要だと知り、ハーブの奥深さにぐっとのめり込んでいきました」。ハーブは緩やかに生活の質を上げてくれるという樫田さん。リラックス効果だけでなく、使い方によっては病気の予防にも力を発揮してくれるそう。「セルフケアという目線でハーブを取り入れてもらえるといいと思います。セルフケアとは自分自身を見つめること。何が飲みたいか、どんな香りに心が動かされるかに意識を向けるだけでも、心身のあり方が違ってくるのではないでしょうか」。

体温にすっと溶け、肌馴染みの良い「all purpose cream」。イランイランなどがふんわりと香ります(画像上)。樫田さんの住まい件アトリエだったスペースをショップにしたのが今年。9月には新しい空間が誕生(画像下)。

やさしいスキンケアアイテムも注目

9月からは同じマンションの3階から2階へと店舗を移し、のびやかな空間で営業をリスタート。よりリラックスした中でハーブを楽しめるようになりました。ハーブティーの取り扱いだけでなく、アロマトリートメントやワークショップの開催、スキンケアアイテムの販売も行っています。乾燥が気になり始めるこれからの季節に注目したいのは、みつろうに精油を加えたナチュラルなクリーム。「手、顔、髪など全身に塗れるオールマイティな一品。精油には抗菌作用があり、唇に塗ると風邪の菌からもガードしてくれますよ」。ハーブティーにプラスして日常づかいし、健やかな毎日を過ごしたいものですね。

makaのおすすめ

detox

日常の滞りを流し、身体をクリーニングしてくれるお茶。腎臓・肝臓の働きを高め、内から美しさと元気を呼び戻します

youth of world

春・秋の季節においしく感じるブレンド。熱湯を注ぐと現れる淡いピンクの水色にも癒やされます

throat coat

気管支の状態を整えてくれるハーブティー。声の仕事に就く人におすすめです。手軽なティーバックタイプ

DATA:

maka

京都市北区上賀茂松本町15 ニュー北山ビル203

TEL 050-7127-3450

営業時間 
11:00~17:00(アロマトリートメントは事前予約)

定休日 木曜~土曜

公式HP http://makaherb.tumblr.com

maka からのメッセージ

相談してもらえる場所でありたいと思っています。「香り」にピンときたらハーブを頼ってみるタイミングかも。ネット販売も行っていますので、ぜひお問い合わせください。

【取材レポート】

取材に訪れたのは、梅雨が明けたばかりのムシムシと暑い日。道中ですっかり干上がってしまった私の体に、樫田さんが出してくださったハーブティーが沁み渡ること! グラスに入った涼やかな1杯を味わいながら、どうすればおいしいハーブティーが淹れられるのか、気になって聞いてみました。「リーフでもティーバックでも、熱湯を注いで必ずふたをしてください。香りを飲むのがハーブティー。香りにこそ薬効があります。ふたに付いた水滴は香りの露なので、1滴も余さず大事に飲んでくださいね」。仕事や家事で忙しい毎日でも、ハーブで心身を緩ませることも大事だなと実感したひとときでした。