ジンギスカン(北海道)

日本の郷土料理「ジンギスカン(北海道)」|食育大事典

ジンギスカンとは、マトンやラムなどの羊肉を用いた日本の焼肉料理です。鍋料理に分類されることもありますが、調理方法は鉄板料理と同じです。中国大陸に進出していた日本人が蒙古(モンゴル)民族の調理方法を参考にして、日本人の口に合う調理法として考え出されたのが「ジンギスカン」だとも言われています。※様々な諸説あり

ジンギスカンの歴史

毛織物などの欧米文化の日本流入により明治時代頃から羊毛の需要が始まりました。軍服にも使われていた羊毛は、第一次世界大戦により輸入がストップしたことを期に、大正時代に羊毛の国内自給を目指して、北海道の滝川市や札幌市などに羊場が作られました。
羊毛の利用だけではなく、羊肉の活用も模索され、試行錯誤の末に「ジンギスカン」が誕生したと言われています。価格が安く美味しく食べられることから、戦後、ジンギスカンが一般家庭に広まっていきました。
ジンギスカンの食べ方は、北海道の地域によって異なります。タレに漬け込んだラム肉を焼いて食べる滝川式や、焼いた羊肉をタレにつける札幌式など、地域ごとのジンギスカンを楽しめます。

ジンギスカンの豆知識

・なぜ牛肉じゃないの?
北海道で昭和初期頃から羊の飼育が盛んに行われていたため。北海道の富良野市では独特の豚肉を使った味付きジンギスカン「豚ジン」も有り、ジンギスカンは羊肉に限らない地域もあります。

・なぜ鉄板で作らないの?
羊の脂には、臭みを持つ成分が含まれ、加熱することで溶け出します。肉の下に脂がたまるフライパンとは違う「ジンギスカン鍋」で焼いた羊肉の脂は縁の方に落ちていき、その肉汁を野菜に馴染ませることで、野菜も羊肉も美味しくなる仕組みです。ジンギスカン鍋の丸い山型は、脂を落とすことで臭みを減らし羊の肉と野菜を美味しく食べるためだったんです!

薬剤師の食育コメント

・羊肉には脂肪燃焼効果のあるL-カルニチンが含まれています。冷え性の方にも嬉しい、身体を温める食材の一つです。
・羊肉(もも肉脂身)のカロリーは、100gあたり約198kcalで、牛肉(もも肉)100gあたり259kcalに比べて低下カロリーです。健康志向の方にも注目されています。

食育大事典の郷土料理

フライパンでできる!ジンギスカンの作り方

ジンギスカン

郷土料理材料材料|2人分

  • ラム肉・・・・250〜300g
  • 玉ねぎ・・・・1個
  • キャベツ・・・・1/2個
  • にんじん・・・・1本
  • もやし・・・・半袋
  • インゲン・・・・3〜4本
  • カボチャ・・・・1/6個
  • 塩・・・・適量
  • コショウ・・・・適量
  • 焼肉のタレ・・・・適量

郷土料理調理ステップ調理ステップ

  1. ラム肉に塩・コショウをしておきます。
  2. フライパンに油をひき、火の通りにくい野菜から順番に塩・コショウをして軽く炒めます。
  3. 焼いた野菜の上に、ラム肉を並べます。
  4. ラム肉の色が変わってきたら、全体を混ぜ合わせてさらに焼いていきます。
  5. 全体に火が通ったら完成です。焼肉のタレをお好みでつけて食べます。

※ 冷蔵庫に余っている野菜を入れて食べるのもおすすめです!
※ 野菜の上にラム肉を置き蒸し焼きにすることで、野菜に肉の旨味が移ります。
※ ラム肉を選ぶのが食べやすくするポイントです。(生後約12ヵ月以下の子羊の肉をラム、それ以上の羊肉がマトンと呼ばれます。)
※ ラム肉を柔らかく食べるには、あまり焼き過ぎないことです。
※ ラム肉には下味をつけずに焼き上がりにタレをつける、マトン肉の場合は、下味に漬け込むことで羊肉の臭みを消してくれます。