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斬新さを打ち出す新ブランド

チョコレートをコーティングしたチョコクランチをいち早く商品化し、若者層から人気を得ました。「pon pon Ja pon」はこれまでになかった味と食感が特徴。風船のようにぷっくりとふくらんだパッケージもかわいらしいと人気です。

「暖簾は絶えず作り直していくもの、暖簾にあぐらをかくことなく、日々是新」を社是とするあみだ池大黒。いつの時代も新たな商品の研究に余念がありません。近年、特に力を注いでいるのが若い世代にアピールできる新感覚おこしの開発です。

2011年に満を持して旗揚げしたのが新ブランド「pon pon Ja pon」(ポンポンジャポン)。従来のおこしに使われている素材をベースに、ドライフルーツ、アーモンドといった洋のテイストをプラス。12種類の個性に富んだフレーバーを用意し、選べる楽しさを提案しました。ひと口で食べられる大きさ、サクサクと軽い食感、カレーや胡麻きんぴらなど一風変わった味のバリエーションが斬新と一躍注目の的に。業界に新風を吹き込みました。

また、アメリカのおやつからヒントを得た「マシュー&クリスピー」は、味だけでなく見た目のインパクトにも着目。ライスクリスピーとマシュマロをミックスさせたベースの上に、カラフルなチョコレートでデコレーションしたり、クッキーやグラノーラなどをトッピングしたりと工夫を凝らし、食べる喜びを広げています。キュートなビジュアルが若い女性の心をつかみ、おこしのイメージを一新することにも成功しました。

現場の感性を商品に生かす

従来のおこしにアメリカンテイストを散りばめた「マシュー&クリスピー」。SNS映えするビジュアルが女性に好評です。「マシュー&クリスピー」のデコレーションは一つずつ手作業。均一にデザインするにはコツが必要です。

「pon pon Ja pon」や「マシュー&クリスピー」といった新商品の開発に積極的に携わっているのは若手社員や女性社員です。小林さんは現場感覚を信頼し任せていくことで社員の目も育つと期待を寄せます。

「pon pon Ja ponのネーミングも女性社員の意見を尊重しました。私は最初聞いたときに大丈夫かなと多少不安があったんですが、結果的には大ヒット。時代を敏感にとらえて発信していくには、社長がいちいち口出ししていてはダメですね。ある程度若い人や女性の感覚にゆだねることが、会社が成長していくうえで非常に大事だと考えています」。

おもしろいと思うことにはこれからもどんどんチャレンジしていきたいと、尽きることのない情熱を語る小林さん。「昔は大阪の名物といえばおこしと昆布でした。私たちはもう一度ナンバーワンの座を目指してがんばっていきたいと思っています」。 さらに躍進していくなにわの伝統菓子からますます目が離せません。

【コラム】大阪のおこしだけのパッケージ柄

粟おこしと岩おこしを包んでいる包装紙を見ると、鮮やかな赤い梅鉢の紋が施されています。実はこの柄には歴史と深いかかわりがあります。奈良時代末期、右大臣・菅原道真公が大宰府に左遷される際、大阪の上町台地で船待ちをしていました。その様子に気付いた村人が、慰めにと粟おこしをつくったそうです。たいそう喜んだ道真公はお礼に「梅鉢の紋の小袖」を渡し、「この紋を付けて広めろ」と言われたとか。以来、大阪のおこしにだけに許された特別な柄として使われるようになりました。(『潮待天神社縁記』より)

(2017年8月 取材・文 岸本 恭児)

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