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冷凍保存で旬の風味をキープ

収穫適期の見極めになる乳白色の種子。日が経つにつれ黒く硬くなっていき、生果としての価値は下がってしまいます。

収穫したばかりのフレッシュな実はすぐにJAに出荷され、各市場へと流れていきます。生果の卸先は京阪神のスーパーやデパートが中心。目にもまぶしい緑色が陳列棚を彩ります。またJAでは旬の生果の販売に加え、春先に収穫した実を鮮度が落ちないうちに処理をしてから冷凍保存しています。旬が短いことが弱点だった朝倉さんしょですが、冷凍技術の進歩によりJAたじまや道の駅ようかで通年販売ができるようになりました。解凍しても水っぽさや色の劣化はなく、初々しい芳香がよみがえります。

「新鮮さを損なわない冷凍保存が実現して、1年中実が青いことが朝倉さんしょの売りの一つになりました。シーズンではない時期に展示会や商談会へ青い実を持って行くと、何で今ごろに青いの?と皆さんびっくりされます」と笑うのは、地域特産物の振興を担うJAたじま営農生産部特産課の稲葉博通さん。冷凍の実は専用の機械で軸を取り除いてあり、あく抜き済み。そのまま料理に使える点が便利だと大変好評だそうです。

【豆知識】山椒の成分と効能

山椒の実の辛味成分にはサンショオールという特有のものが含まれ、胃腸の働きを活発にしたり冷えを改善したりするほか、胃痛を緩和する効果なども期待されます。香りの成分はレモンなどの柑橘類に含まれるリモネン、心を落ち着かせるフェランドレン、バラに似た甘さのあるシトロネラールなど複数で構成。朝倉さんしょはリモネンが多く含まれているため、他の品種よりフルーティーな香りが強いのも魅力です。夏バテ気味のときなどには食欲増進の手助けになる山椒。辛味や香りの効果で薄い味付けでも満足感が得やすいため、減塩したい人にもおすすめです。しかし、刺激が強すぎて胃腸が弱い人には負担になることもあり、食べすぎには注意が必要。くれぐれも摂取する量には気を付けてください。

過保護でなくとも実は育つ

数ある朝倉さんしょの木を管理するのに役立っているのは、1本ずつにくくりつけられたタグ。

山椒は他の農産物と比べると栽培に手がかからないのが生産者にとって何よりの魅力だと言う福井さん。「必要なのは剪定くらい。木はほったらかしておくと空に向かってどんどん真っすぐに伸びてしまうんです。剪定をしてできるだけ枝が横に伸びていくように手入れをします。どの枝にも均等に日が当たるようにすることが大きな実をたくさんつけるために大事なことなんですよ」。

気温が上がり虫の活動が活発になる時期にはすでに収穫を終えているため、実は害虫の被害を受けません。そのため農薬を散布する必要がなく、消費者は安心して口にすることができます。「剪定以外には、収穫後に有機肥料をやって翌春の初めに芽出し肥えをまくのを忘れなければ、あとの季節はほったらかし。夏に草刈りをしている農家もありますが、うちの畑は生え放題(笑)。私は草があれば木の根っこが乾燥しなくて都合がいいと思っているのでね」。

日当たりの悪い場所に植えている木はまれに病気になることもありますが、実に影響しない時期に消毒をすれば大きな問題にならないそう。手間いらずで翌年も元気に実をつけてくれます。

(つづく)

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