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捨てないで!柿の葉とヘタ

柿の葉の特性をうまく利用した柿の葉寿司。柿の葉は新鮮なものが不可欠。地元のスーパーにも売っているそう。

柿のパワーは果実だけに終わりません。食べるときに捨ててしまうヘタや葉にも優れた栄養成分が含まれています。ヘタには薬効があり、中国では古くから柿蒂(シテイ)という名の漢方薬として用いられてきました。柿蒂はしゃっくりが止まる特効薬。ヘタを乾燥させて煎じ、煮出したものを飲みます。

柿の葉にはビタミンCとポリフェノールがたっぷり。特にビタミンCは果実よりはるかに高濃度です。葉に含まれた栄養素を効率よく摂取する方法としておすすめなのが柿の葉茶。家庭でも手軽にできます。葉を洗って乾燥させたものを細かく砕き、紅茶と同じようにポットで数分蒸らしてカップに注ぐか、お湯の中で数分間煮出すだけ。ほんのりと甘みがあり、カフェインレスのやさしい飲み物ないので、妊婦さんや小さな子どもも安心して飲むことができるでしょう。

酢飯の上にはサバが一般的ですが、サーモンやウナギなどバラエティに富んだものもあります。食べると柿の葉の香りがほんのり。

奈良県には柿の葉を使った柿の葉寿司という郷土料理もあります。これは、小ぶりにまとめた酢飯にサバなどの魚を薄切りにして乗せ、柿の葉でくるりと巻いた押し寿司です。もともとは田植え時期のごちそうとして振る舞われていたローカルフードでした。わざわざ柿の葉に巻くのは、葉が持つ抗菌作用で寿司の保存性を高めるためで、昔の人が生活の中で生み出した知恵。今はお土産としても人気があり、地域によっては家庭で手づくりする習慣が残っています。

「柿の葉は品種によってまん丸だったり笹の葉のように細長かったり、硬かったり軟らかかったりと状態が異なります。柿の葉寿司に使う葉は何でもよいというわけではなく、適した葉があるんですよ。私たちが比較した中で特に優れていると考えるのが法蓮坊(ほうれんぼう)の葉。在来の古い品種で軟らかく、巻きやすいと好まれています」。濵崎さんたちは柿の葉寿司に最適な葉を探したり、栽培方法の研究にも力を注いでいます。

参考文献:濵崎貞弘(2016)『柿づくし』農山漁村文化協会

(2016年8月 取材・文 岸本 恭児)

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