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ことわざや言い伝えに見る柿

種のない柿は平核無柿といい、もともと種ができません。渋柿なので渋を抜いてから出荷され、接ぎ木でふやします。

日本には柿にまつわることわざや言い伝えがたくさんあります。有名な一つは「柿が赤くなれば医者が青くなる」。これは本来、柿が実をつけ赤く色づく季節になれば過ごしやすくなり、病気になる人も減って医者が困るという意味ですが、柿自体に、まさに医者が青ざめるほど優れた効能が備わっています。その真偽のほどを表しているのが「柿を食べると二日酔いが治る」という言い伝え。日本初の医学書『医心方』には、柿は二日酔いを癒すという記載があります。近年の研究によると、柿は血中のアルコール濃度を下げる効果があると報告されており、濵崎さんも実証済み。「お酒を飲む前に柿を食べるのが効果的ですよ」。

これはあくまで迷信に過ぎませんが「柿の木から落ちると3年後に死ぬ」という伝承もあります。この言葉に隠された真意とは何なのでしょうか。「柿の木は太く丈夫そうに見えて、実はもろくて折れやすい性質があります。大丈夫だろうと足をかけると落ちてしまうこともしばしば。毎年のように柿農家さんの誰かは柿の木から落ちていますし、危なっかしいところからきているのかもしれませんね」と濵崎さん。このように柿にまつわる言葉が多いことからも、日本人にとっていかに身近な果樹だったかをうかがい知ることができます。

干し柿のおいしさの秘密と栄養価

柿は生で実を食べるだけでなく、ひと手間加えることで味わいや用途が広がります。柿の加工食品として代表的なのは干し柿でしょう。干し柿には渋柿を用いますが、適した品種は市田柿(いちだがき)、平核無、堂上蜂屋(どうじょうはちや)、甲州百目(こうしゅうひゃくめ)など多数あります。渋柿を風にさらし干すことによって渋味が抜け水分が蒸発。甘味がギュッと凝縮され、ねっとりとした独特の食感が生まれます。なかには表面が白い粉状のものでうっすらと覆われている干し柿も。カビと勘違いしてしまう人もいるようですが、これは柿が本来持っている果糖やブドウ糖が、加工の過程でしみ出したもの。白い粉が多ければ多いほど甘味が強く濃厚である証拠です。

柿は生で食べてもビタミンCやカリウムなど多く含み栄養価は豊富ですが、干し柿にすることで、さらに栄養価は高まります。高い抗酸化力のあるカロチノイドとカリウムは生柿の3倍、ビタミンAは2倍にアップ。特に食物繊維はドライフルーツの中でもっとも多く、腸の調子を整えるのにおすすめの食品です。ただし、生柿と比べるとビタミンCは格段に減少し、カロリーは大幅に上昇。干し柿1個(100g)あたりで276キロカロリーと、ごはん1膳分にも匹敵しますので、ダイエット中の人や食事制限がある人は食べ過ぎに気を付けたほうがよさそうです。

【コラム】おいしい干し柿の作り方

家庭で干し柿をつくるときは失敗を避けるため、5つのコツを押さえておきましょう。
上手にできれば1~2か月弱で食べ頃になります。
●失敗しないコツ
①つくる前に天気予報をチェック。カラッと晴れた日が続くときを選びましょう。
②皮をむく包丁などの道具はアルコール殺菌し、清潔な環境を整えておきます。
③皮をむき終わったらカビ予防のために実を熱湯にくぐらせて消毒し、適当に間隔を空けて縄や棒に付けていきます。
④干す場所は最初の1~2日は日向で、その後は風通しの良い日陰が適所です。
⑤1~2週間ほどで表面が乾いてきたら、ときどき実をやさしく手でもむと水分が出やすくなります。

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