トップ > 食育特集 > File.25(3)

特集メインタイトル

茶農家の1年間の仕事

かぶせ茶の場合は黒い覆いを直接畝にかけます。この覆いの効果で、まろやかなうま味のあるお茶に育ちます。

茶農家は1年をかけて大事に育てたお茶を消費者の元へと届けています。茶畑では日々どのような仕事が行われているのでしょうか。

一番茶の刈り取りに向けて茶園を整える3月。防虫のための消毒を行い、肥料をやり、新芽がきれいに出そろうように準備をします。4月に入ると覆い茶をつくる地域では畝に黒い覆いをかぶせる作業に取り掛かり、4月末から5月中旬にかけて一番茶(新茶)を収穫。新しい葉は柔らかく栄養成分も多く含まれるため、葉の先端部分だけを刈り取ります。昔は手摘みで行われていた作業も、かぶせ茶には大型の機械が導入されて効率が劇的にアップ。機械摘みの作業をスムーズに進めるために畝を剪定し、美しいかまぼこ状の形に整えておくのも大事な仕事の一つです。刈り取った後の茶葉はすぐに製茶工場へ。自家製茶工場を完備している農家もありますが、多くの農家は生葉を地域の大規模製茶工場に持ち込みます。お茶の味は茶葉の鮮度で決まるとされ、スピード勝負。新茶の時期は機械をフル稼働させて翌朝までに加工を終えます。雨が少しでも降ると刈り取りの作業はストップ。雨に当たったお茶は水臭いというジンクスがあるからだそうです。

農家泣かせの遅霜

茶葉を霜害から守るために取り付けられた防霜ファン。ファンがなかったころは畑に火を焚いて対策をしていたそうです。

新茶を収穫する時期に農家が一番心配するのが遅霜の害。霜に当たると葉先が凍傷になり枯れてしまい、手塩にかけた新茶の値がぐっと下がります。霜害を防止するために活躍するのが防霜ファン。茶畑には上部5mほどのところに大型の扇風機がいくつも設置されています。高いところから風を送ることで上空の温かい空気を畑に下ろし、地表に流れ込んだ冷たい空気とかき混ぜて新芽に霜が降りないようにします。

こうして一番茶の刈り取りを終えると、肥料を置いたり消毒をしたりしながら茶畑をこまめに管理。再び黒い覆いをかぶせ、6月の下旬ごろから二番茶を収穫します。三、四番茶の芽が出そろう9月の下旬には今季最後の刈り取りを行い、秋番茶として出荷。秋番茶は飲料用としては味が落ち、価格も安くなります。そのため、製茶せず捨ててしまう産地もあるそうですが、北勢では主に菓子用に加工し工業用抹茶として流通させています。昨今は抹茶を使ったお菓子のブームで需要は伸びているそうです。秋番茶が終わると収穫作業は終了。剪定や土づくりなどを行いながらのんびりと次の春に備えます。

【コラム】お茶のおいしい淹れ方

毎日何気なく飲んでいるお茶も、淹れ方のコツをつかめば格段においしくなります。用意する水はミネラルウォーターでも水道水でもOK。ただしカルキが入った水は好ましくありません。水道水を使うときはやかんのふたを開けて沸騰させ、4~5分煮立たせたものを使用しましょう。お湯の温度や抽出時間にも注意を払って。茶葉のうま味や甘味を引き出すには60度以下の低い温度が好ましいとされています。かぶせ茶の場合は約60度が適温。苦みや渋みを出したいときには80度以上にしましょう。急須に注ぐときには最後の一滴まで余さずに。ここに凝縮されたおいしさが詰まっています。
夏場は水出しのかぶせ茶が乾いた喉を潤してくれます。作り方は簡単。水を注いだアイスポットにパックに入れたかぶせ茶を入れて10~15分放置するだけ。水1ℓに対して茶葉10g程度を目安に。時間が経ったらパックを絞って取り出します。冷蔵庫で保存し、風味が損なわれないうちに飲み切りましょう。

食育大事典facebookページ
ページのTOPへ