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新たな可能性を見出すために

甘酒は昔から飲む点滴とも言われるほど栄養が豊富。ピュアな味を店頭で販売しています。

麹は昨今、テレビや雑誌、新聞、映画などで取り上げられて世間の反響も大きく、すっかりメジャーな存在に。若者や海外の人々にも知られるようになりました。その流れを受けて自家製味噌をつくる人が増え、発酵教室がブーム。教室からは助野さんに講師の声がかかるようになりました。一方、種麹の知名度はというと「麹に比べるとまだまだ」と助野さん。「講演会などで一般の人に種麹のことを話しても、専門的すぎてなかなか理解してはもらえないのが残念です。でも私が活動を広げることで、少しずつでも種麹の存在をみなさんに知ってもらえたらという思いがあります」。

助野さんは毎日の食卓でもっと麹を身近に感じてもらいたいと、新商品の研究や開発にも熱心に取り組んでいます。助野家でも麹を使って味噌や塩麹、醤油麹をつくり、新たな使い方を探ってきました。そんな日常からヒントを得て、麹をより使いやすいものへと改良。最近発売を始めたのが米麹パウダーです。

米麹パウダーへの期待

新商品の米麹パウダー。助野さんは麹の使い方を広く提案できるツールとして期待しています。

米麹パウダーは麹菌を十分に繁殖させた生麹を乾燥させ、石臼でサラサラの粉末状に加工したもの。粉砕時に麹に摩擦熱がかからない方法を採用し、本来持っている酵素の力を最大限に活かすよう工夫されています。「これまで麹は、特有の粒が料理のアレンジや食感のじゃまになるという弱点を持っていました。きめの細やかなパウダー状にすることで塩麹や醤油麹の仕込みの時間を短縮でき、口当たりがなめらかに変化。刺身などの料理に直接かけても流れ落ちないので、液体調味料で食べる時よりも減塩につながります」と米麹パウダーの出来栄えに太鼓判を押す助野さん。また、粉末状にしたことで用途も拡大。スイーツやパンにも利用しやすくなりました。粉の配合を変えて米麹パウダーをプラスするとベーキングパウダーに似た働きをし、生地が柔らかくなったりしっとり感が生まれます。市内の飲食店やベーカリーでは米麹パウダーの魅力にいち早く着目し、すでに商品化しているところも。

米麹パウダーを使った家庭料理で助野さんのおすすめはホットケーキ。膨らみやすくなりふんわりと焼き上がるそう。「もう1つ、ぜひ試してもらいたいのが発酵豆乳ドリンク。無調整豆乳に米麹パウダーを加え60度で一晩置いておくと、アミノ酸がグンと増えることが専門機関の分析でわかりました。身体に栄養素が吸収されやすくなり、甘みとうま味がアップするのでおいしさも倍増します。豆乳が苦手な人も飲みやすいのではないでしょうか」。アミノ酸は人間が健康を維持するために欠かせない成分。コップ1杯で気軽に効率良く摂取できる発酵豆乳ドリンクは、今後新たなパワーフードとして話題を集めるかもしれません。

(2016年3月 取材・文 岸本 恭児)

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