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多彩な味噌の分類について

季節限定のものも加えると、商品数は30種類以上。老舗の風格が感じられる逸品がそろっています。

味噌は原料の調達が簡単なことと作り方も単純なことから、昔は各家庭でも手作りで仕込んでいました。その味を自慢していたことから、自画自賛することを意味する「手前みそ」という言葉が生まれたとか。今は全国に約1,000社の製造元があり、各社オリジナルの味を競っています。

味噌の種類は原料によって分類されています。大豆に米麹を加えて作った味噌が米味噌。全国各地で作られ最も親しまれている味で、日本の総生産量の8割が米味噌にあたります。また、大豆に大麦麹か裸麦麹を加えて作ったものが麦味噌。田舎味噌とも呼ばれ、昔懐かしい家庭の味を思い起こさせます。豆味噌は大豆と塩で作られる味噌のこと。2種類以上の味噌を合わせたり複数の麹を混ぜ合わせて作ったりする調合味噌もあります。さらに米味噌は出来上がりの色によって赤、淡色、白と大きく3つに分かれます。色に違いが生まれるのは発酵や熟成の期間と深いつながりがあり、濃くなるほど長い時間をかけて仕込まれたことになります。また、米味噌と麦味噌に見られる甘口、辛口といった味の分類には、塩加減のほかに大豆に対する麹の量の割合も影響。同じ塩分濃度の場合、麹の量が多いほうが甘くなるのです。味噌と一口に言ってもこれだけのバリエーション。自宅で好みの味噌をブレンドすることで、さらに奥深さを知ることができます。

ちなみに、京都で作られる白味噌のことを「西京味噌」や「西京白味噌」と呼びますが、それにはこんな理由が。明治維新によって都は京都から江戸・東京へと移りましたが、東の京に対して西の京都を西京とも呼んだことから、この名がついたそうです。

白味噌の独特な作り方

店頭の樽には計り売り用の様々な味噌が入っています。艶やかで美しい淡黄色が白味噌の特徴です。

では、味噌の一般的な作り方を追っていきましょう。主な原料となるのは水のほかに大豆、米(もしくは麦)、塩。米味噌の場合はまず米を蒸し、種麹を付けて米麹を作ります。傍らでは、大豆を洗って蒸し、細かくつぶしてから米麹と混ぜ合わせ塩を入れ、様子を見ながら種水も加えます。その後大きな樽(タンク)に入れて発酵・熟成させ、完成となります。これは米味噌のなかでも最もポピュラーな赤味噌の作り方。白味噌も作業工程はほぼ同じですが、大豆と米の割合が赤味噌と白味噌では異なります。赤味噌の仕込みは大豆と米の割合が10:6~8。一方、白味噌はというと10:20~25と米の分量を倍にします。「白味噌には照りを良くするために水あめを加えるので、甘さも水あめが出していると誤解されがちなのですが、実は米の自然な甘みなんです」と尾崎さん。また、白味噌の場合は大豆を蒸すのではなく茹でるのがポイント。茹でると大豆本来の白さが引き出され、艶やかな色に仕上がるのです。「誰もが白味噌と呼んではいますが、実際の色は白ではなく淡黄色。あまりに白すぎると、味噌の色が料理のイメージを変えてしまうため、長年付き合いのある料理人さんたちからは返品されてしまうこともあるんですよ」。絶妙な淡黄色を守ることも老舗としての大事な仕事だと尾崎さんは言います。

そしてもう一つ、赤味噌の仕込みと大きく違う点は熟成期間。多くの味噌が熟成に数カ月から長くは1年を要するのに対し、白味噌はわずか20日程度。この間、職人たちは麹菌が最もよく働く温度や湿度、時間を調節しながら、味が育つのをじっと待つのです。

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