トップ > 食育特集 > File.18(3)

特集メインタイトル

熟成こそ味のポイント

本社工場の内部。写真右奥に見えるのが、ソースを熟成させているタンク。敷地内にはこのようなタンクが大小たくさん並んでいます。

とんかつソースの成功を足掛かりに、オリバーソースではお好み焼きソース、たこ焼きソース、焼きそばソースといった食品別の専用ソースを次々と発信していきます。どのソースも基本的な作り方は同様で、最大で5000Lは製造できる大きな釜に野菜や果物、スパイス、砂糖、酢などを加えて煮込んでいきます。大きく違うのは、濃厚ソースには原材料にでんぷんをプラスし、とろみをつけているという点。またウスターソースは、すぐにボトルに詰めず、炊き立てをタンクや樽の中に入れて最低3か月は寝かせるという熟成と呼ばれる工程をたどります。この熟成こそ、オリバーソースならではのおいしさを生み出す最大のポイントと話す津田さん。「作り立てのウスターソースはなめらかな液体ではなく、野菜ジュースのように原材料の皮や繊維が混じって口の中でざらつき感があります。しばらく置いておくとタンクや樽の底に澱(おり)が溜まり、さらさらとした液体とに分離していきます。これを沈殿製法と言うんですが、その液体部分の上澄みが、みなさんがよく知るウスターソースになっています」。

工場内に人影は少なく、製造ラインはオートメーション化。品質管理室では、商品の安全や品質を守るために人間の厳しい目でチェックしていきます。

さらに熟成は、味にもうれしい変化をもたらしてくれます。出来立てのソースは香りが立って華やかさはあるものの、原材料それぞれの個性が際立ちすぎて味にまとまりがありません。まろやかさに欠けるのも難点です。でもしばらく寝かせておくと、スパイスの香りや酸味がバランスよく調和して、うまみやコク、まろやかさも引き出されていきます。熟成はボトリングし、店頭に並んでいる間もじわじわと進んでいるそう。ただし、一度開封して空気に触れてしまうと止まってしまいます。「苦みが出たりもするので、開封後はできるだけ早く食べきってくださいね」。

発想の転換が生んだどろソース

どろソースは香りが高くスパイシーで、パンチのある辛さを好む人向け。より刺激を求める人には辛さ5倍もあります。

釜炊きや沈殿製法、熟成を重ねるオリバーソースのソースづくりは、イギリスでウスターソースを手掛けていたOliver社の製法を受け継いでいます。大手メーカーが効率化を進めていくなか、多少の手間とコストがかかってもクオリティの高い味を求めたいと、昔ながらの技法を大事にしてきました。そんなこだわりが、新たな商品「どろソース」を誕生させることにつながります。どろというネーミングは、澱のどろどろとした見た目から名付けた社内での呼称。その名の通り、ウスターソースの熟成時に発生する澱を活用してつくられています。上質なウスターソースをつくるため、素材の量を増やせば増やすほど自然と増大してしまうどろ。その処分にはずっと頭を悩ませていました。しかしあるとき発想を転換。利用する方向へ活路を開いていったところ、素材のエキスがぎっしり詰まり辛味が凝縮された商品・どろソースへと結びつき、1993年から本格的に販売を開始。辛さの効いた個性的な味わいやインパクトのあるネーミング、そばめしブームの到来により注目され、今では関東にも進出。広く親しまれています。

食育大事典facebookページ
ページのTOPへ