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業界の老舗「オリバーソース」

世界初の濃厚ブラウンウスターソース「オリバーとんかつソース」を発売したころの様子。セピア色の写真に歴史が刻まれています。

昔からソースを愛する神戸の人々は1世帯当たりの購入数量も多く、広島、岡山に次いで全国3位(平成24年~平成26年平均 経済省統計局調べ)。家庭ごとにひいきの「地ソース」を持っていることも珍しくありません。神戸でオリジナルの味を守るソースメーカーは、大手から家族経営の小さな工場も合わせると現在7社。なかでも神戸を代表するソースメーカーと言われるのが、オリバーソースです。

オリバーソースは1923年より続く関西の老舗メーカー。大阪の醤油醸造蔵「難波醸造」の次男だった道満清氏がソースの可能性に着目し、神戸で独立。「道満調味料研究所」として創業したことに始まります。当時はイギリス産ソースの輸入・販売や自社製ソースの研究・開発などを行っていた同社。創業時は道具も試行錯誤し、実家の醤油樽を使ってソースを仕込んでいたというエピソードも。研究を続けていくなかで製法に磨きをかけ、1948年には世界初の濃厚ブラウンウスターソース「オリバーとんかつソース」を開発します。粘度を持ち、やや甘みのあるとんかつソースの登場は、人々に新鮮な驚きを与え、ウスターソースが主流だった日本のソース業界に旋風を巻き起こしました。

とんかつソースの誕生

とんかつソースからお好みソースが生まれました。

大きな反響を得たとんかつソースは、どのようにして誕生し、認められていったのでしょうか。知られざる裏側を、オリバーソース総務課の津田朝徳さんにうかがいました。 「当時はウスターソースが浸透していて、コロッケやとんかつなどにもかけて食べていました。でもカラッと揚がった衣がおいしい料理では、ウスターソースをかけると浸み込み過ぎて、せっかくのサクサクの食感が失われてしまいます。それならウスターソースの粘度を高めて衣の上に乗るようにすれば、よりおいしく食べられるのではないかと。そんな発想から開発が始まりました」。

発売すると市場の反応は大きく、時代の追い風を受けたとんかつソースは、いつしかお好み焼きやたこ焼きにかけても抜群と評価されるように。「関西風の粉もんにはもともと生地に薄く下味が付いているので、仕上げに醤油をさっと塗ったりかつおを振るだけでも十分満足のいく味にできていました。そこへとんかつソースのような濃厚なソースが登場したことで概念が覆され、これなら生地の上にうまく乗るし、味も良いということで受け入れてもらえたのでしょう。自社のとんかつソースが関西のお好み焼きやたこ焼きの文化をさらに開花させたんじゃないかと私たちは思っています」。

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