トップ > 食育特集 > File.17(2)

特集メインタイトル

瀬戸内海での のりの養殖

のりを高温で焼いてから、まんべんなくたれを付け、乾燥させると風味豊かな味付けのりの完成。

瀬戸内海でのりの収穫が始まるのは12月。漁期を終える4月ごろまで、のりを刈り取るもぐり船が活躍します。もぐり船はのり網の下に潜り込んで、適採機という機械を使い、船底いっぱいに効率良くのりを採取。その後、撹(かく)はん、抄(す)き、脱水、乾燥、剥(は)ぎの工程を経て板のりに形成され、入札後に加工先へと出荷されます。のりにはいくつかの品種がありますが、現在明石で採れるものはスサビノリという品種。環境の変化に強く育てやすいことから、全国的にもほとんどがスサビノリで、日本で養殖されている品種の95%以上を占めています。

日本でのりの養殖が始まったのは江戸時代。徳川幕府にのりを献上するため、東京湾で養殖が行われるようになり、その後全国へと広まりました。そのころ一般的だった品種はアサクサノリ。昭和30年ごろまでは養殖されていましたが、病害に弱く手間がかかるために減少。今では絶滅危惧種に指定される希少な品種となりました。昭和に入るとのりの生態研究が進み、第二次世界大戦後は養殖技術も躍進。アサクサノリからスサビノリへと品種が移り変わったことも生産量の安定につながりました。全国の産地のなかでも有明海は、恵まれた環境を味方に大きく発展。穏やかな浅瀬は海上にのり網を張りやすく、6mもの干満差により、海水の栄養分を吸収しながら太陽の光もたっぷり浴びることのできるため、のりの健やかな生育に適していました。

一方、明石でのりの養殖が始まったのは1960年ごろ。しかし有明海とは違い、明石海峡は潮の流れが速く海底が深いのが欠点で、有明で行われている支柱式養殖(漁場の海底に支柱を建て、のりの胞子が付着したのり網を海上に水平に張り込んでいく方法)は不向き。特有の強い風にあおられ、網が流されてしまうこともたびたびあり、最初のころは収穫量もわずかでした。その後、飛躍的に養殖技術が進歩し、浮きを浮かべてアンカーで固定させ、のり網を海上に張る浮流し方法と呼ばれる養殖方法が普及してからは収穫量が上昇。明石の漁場のなかでも林崎や明石浦は、有名な浜の仲間入りをするまでに発展を遂げています。豊潤な海で育まれた明石のりは、栄養価に優れ、品質も格段にアップしました。

食育大事典facebookページ
ページのTOPへ