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枝豆で丹波黒の魅力を再発見

さやの中でふっくらと実をつけ、枝豆として食べごろを迎えた丹波黒。産地に秋の訪れを告げる味。

丹波黒の枝豆は、10月のわずか数週間だけ楽しめる短い旬の味。一部の料理人や農家では美味と知られていましたが、その味を全国へと広めたのは小田垣商店でした。「弊社の会長が取引先に毎年作柄見本として収穫前の丹波黒を畑から刈り取り、葉っぱを付けたまま送っていました。それがいつしかおいしいと評判になり、もっと送ってほしいと要望が寄せられるようになったんです。ところが、枝豆は野菜に分類されるので乾物屋では取り扱えない。いろいろと知恵を絞って通信販売にこぎつけました」。その後、マンガ『美味しんぼ』に取り上げられて人気に火が付き、イベント『ホロンピア'88北摂・丹波の祭典』で枝豆が振る舞われたことも知名度アップにつながりました。

丹波黒の枝豆は、毎年10月初旬に解禁日が設けられています。しかし、解禁日早々のものはあまり味が乗っておらず、山本さんのおすすめは15日以降だそう。「15日あたりから25日くらいまでが味のピーク。もちもち感と甘みが最高ですよ」。貴重な味を求めて、産地に足を運ぶ美食家も少なくありません。枝豆の流通がさかんになったことは、生産の拡大にもつながりました。

黒豆のおいしい煮方と栄養素

一般的な大豆は1つのさやに3粒入っていますが、丹波黒の場合は1粒もしくは2粒。粒数が少ないので大粒に育ちます。

大豆は「畑の肉」と呼ばれるほど栄養価に優れた食材です。タンパク質が豊富で必須アミノ酸をバランス良く含み、特に黒大豆は黒色の表皮にポリフェノールも含有。食べることで健康効果が期待されます。せっかくなら、丹波黒本来が持つ素材の良さを存分に生かしたいもの。産地の人に聞く最もおすすめの味わい方はやはり煮豆です。毎食の副菜として、また晩酌のお供にもぴったりです。ふっくらと仕上げるには、弱火でコトコトと長時間かけて煮るのがコツ。錆びた釘を数本入れることで豆の黒さが際立ち、見た目がより美しくなります。ふくよかな味に生産者たちの汗を重ねれば、おいしさもひとしお。じっくりと味わいたいものですね。
参考:『丹波黒大豆物語』 兵庫県丹波黒振興協議会 編(発行所/神戸新聞総合出版センター

(2015年7月 取材・文 岸本 恭児)

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