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今の若き新規就農者たちに思うこと

「オクラは午前中に花が咲き、それが
とってもきれい」と敏子さん

近年、若者たちの間で就農に対する熱が高まっています。五島農園でもこれまで、9人の研修生たちを受け入れてきました。そのほとんどがホームページを見て魅力を感じ、メールで申し込んできたといいます。1~2週間のトライアル期間を経て、相互がマッチングすれば1年間の研修がスタート。座学は一切なく、実務経験を積む中で技術や知識を身に着けていくスタイルです。出勤時間や退勤時間も研修生自らが決め、自己管理の元に学びを深めます。

「僕はこっちからいろいろ与えても身に付かんと思ってるタイプやから"見て学べ"がうちのやり方。どれだけ勉強できるかは自分次第やね。作業への強制もないけれど、農家の1年間のスタイルがどんなもんかを学ぶためには、僕らと同じサイクルで動かないとまずわからない。夜遅くまでかかる野菜の袋詰めに、最後まで付き合う子もいるしね。それは本人のやる気と意思に任せてます」。

卒業生たちの就農率は今のところ100%。けれども、学んだことを素直に実践している人は少なく、最初から我流を押し通そうとする人も。そんな姿に「最近の子はわからん」と疑問や歯がゆさを抱く隆久さん。 「僕やったらとりあえず覚えた通りに守破離の精神でやってみるのが手っ取り早いと思うけれど、今の農業を目指す若者はそうやないんやね。新規就農者支援制度に守られて、野菜が売れようが売れまいが安定した収入が入るやん。それがいいか悪いか、真剣さや必死さを感じないときがある。僕の場合は年齢的に遊んでいる暇はなかったし、自分で作った野菜はすべて売り物にせなあかんと夢中やったから。そのころの自分と重ねると中途半端やなあと思ってしまうんよね」。

倉庫の壁に貼られた1枚の紙。「真剣だと知恵がでる 中途半端だと愚痴がでる いい加減だと言い訳ばかり」。五島さん夫婦の農業に対するすべての思いがこの言葉の中に詰まっているようでした。

(2014年8月 取材・文 岸本 恭児)

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