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あのイチロー選手や本田選手も

イチロー選手(中央/右)と本田選手(左)のサイン色紙。

オリックスでの任期を終えた後も、人の紹介をつないでスポーツ栄養士としてのステージを広げていった坂元さん。LリーグチームINAC神戸レオネッサ、甲南大学アメリカンフットボール部、Vリーグチームサントリーサンバーズなど、プロ・アマ問わず精力的に指導を行ってきました。

現在大リーグで活躍するイチロー選手もその1人。「オリックス時代の彼に栄養指導をしましたが、熱心に聞き入れてくれる選手でした。アメリカに渡った今でも交流はあり、毎年恒例の神戸での自主トレには会いに行きます。イチローは野菜嫌いや食に神経質というイメージがマスコミを通して伝えられていますが、本当はそうではありません。野菜も食べますし、食へのアンテナは高いほう。この間は、集中力を維持するのに豆乳がいいよと言うと関心を示していましたし、海藻類を勧めると『そうなんですね。でも海外ではなかなか食べる機会がなくて』と話していました」。

イタリアACミランに所属する本田圭佑選手にも、パーソナルトレーナーを通じて食事のアドバイスを行ったことがあるそう。坂元さんの栄養指導は、スポーツ史に名を刻む名選手たちからも厚い信頼が寄せられています。

確かな結果へ導く勝利の女神

坂元さんが多くのチームや選手たちから信頼される所以は、栄養指導の成果を確かな結果へと導く力にあります。オリックスは管理栄養士としてメンバーに加わった1995年からチームの成績が好転。その年にリーグ優勝を果たし、翌年は日本一も手にします。甲南大学アメリカンフットボール部は1部に昇格、Vリーグチームサントリーサンバーズも優勝を経験。現在携わっている京都橘高校サッカー部もまた、栄養指導を行ってから全国高等学校サッカー選手権大会で準優勝しました。

まさに勝利の女神。その実力のほどを知るこんなエピソードも。「富山第一高校のサッカー部で栄養指導をしている教え子から、キャプテンが体調不良なので相談に乗ってほしいと連絡がきました。そこで毎回の食事内容をメールで送ってもらい、アドバイスをしたんです。するとその年の全国高等学校サッカー選手権大会で優勝しました」。

結果至上主義のスポーツ界で、貴重な勝利の立役者。「周りの人や選手からはたびたび『坂元さんはもっている』と言われます(笑)」。選手たちの好成績がやりがいの源。自分の行ったアプローチが間違っていなかったことを証明し、自信へとつないでくれています。

次なる大きな夢に向かって

合宿や遠征先には帯同し、食事時に
効果的な食べ方などを教えます。

坂元さんはこれまで数多くの栄養指導に携わる中で、指導者や父兄たちから食事に関するさまざまな疑問や質問を受けてきました。そこで、NPO法人日本スポーツコーチ・トレーナー協会を設立し、栄養学の知識がない人でも理解しやすい教材を作成。スポーツ栄養アドバイザー、シニアスポーツ栄養アドバイザーという資格制度も設けました。 選手に身近な人たちが、体の成長に合わせた栄養の摂り方、スポーツ選手に起こりやすい病気や水分補給・熱中症対策などの知識を正しく得ることで、より力強くバックアップすることができます。

最近は、伸び盛りにある小・中・高校生のスポーツ選手に栄養指導を行うことが多いという坂元さん。未来の選手たちを育てることは、現役のプロ選手をサポートする以上にワクワクすると言います。さて、これからの夢は?

「小学生のときに栄養指導していた子が何年後かに『先生のおかげでオリンピックに出られました』と報告しに来てくれること。これが今から楽しみなんです」とニッコリ。2020年は東京オリンピック。その夢が現実になる日も近いかもしれません。

(2014年6月 取材・文 岸本 恭児)

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