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多くの不調の原因は低血糖症にあり

カウンターと2人掛けのテーブルが並ぶ
こぢんまりとした店内

谷さんと米澤さんの元には日々、あらゆる病気や体調不良に悩む人たちが訪れます。訴えは人によって異なりますが、そのほぼ全員に共通するのが低血糖症(安定した血糖をコントロールできない状態)。谷さんはその現状を憂います。
「今は栄養医学の面でも低血糖症が注目され、炭水化物抜きや糖質制限をした食事が脚光を浴びています。体調不良や精神的な問題の根っこには、低血糖症があると言ってもいいほど。肝臓病の人でも婦人病の人でも、まずはこの低血糖症を治していかないと病気は治らないのではと言われています」。

低血糖症を治すことは胃腸を正常な状態に戻すということ。胃腸が健康でなければ、どんなに効き目の高い薬や高価なサプリメントを服用しても、効果が十分に発揮されないまま体外へ排出されてしまいます。「食事によって胃腸を温めてお通じを整えれば、薬もきちんと吸収し効果を発揮してくれます。薬の効きが良くなると、病気の治りも早くなり、薬を手放して正しい食事だけで良い状態をキープしていくことだって可能かもしれない」と理想を語る米澤さん。看護師として深刻な病に苦しむ患者さんをケアしてきた米澤さんだからこそ、自然と湧いてきた強い願いなのかもしれません。

自然治癒力を最大限に引き出すために

マクロビオティックによって健やかな心身を取り戻した人と、喜びを分かち合ってきた谷さんと米澤さん。中でも印象深かったという、料理教室の生徒さんとの間に生まれたうれしいエピソードを教えてくれました。

「旦那さんの肝機能が徐々に悪くなっているのでどうにかしたいという奥さんが、うちの料理教室を受講されているのですが、半年くらい習われていたある日、旦那さんの健康診断の結果がDランクからすべてAランクになったと報告してくださいました。その人は食生活をいきなりガラリと変えるわけではなく、最初は少しずつ改善していくように指導しました。朝はパン食でコーヒーだけだったのをごはんと薄味の味噌汁に、お昼は外食、夜は干物やから揚げなど味の濃いものをやめてムニエルとか蒸し魚に変えたくらい。すると夜食に食べていたカップラーメンを、旦那さんがいらないというようになったらしいです」。

マクロビオティックは何も特別なことではないと語気を強める谷さん。「日本人が昔から自然と食生活に取り入れていたこと。焼酎に梅干しを入れて飲むとか、寿司を食べたときに熱いお茶を飲むとか。これらは現代人も何気なくやっている食べ合わせですが、すべて毒素を消すという意味合いを持っています。私たちが伝えていきたいのは、環境や体調によってごく当たり前のように自分で食べるものを選び抜ける力。それを1人でも多くの人に理解してもらえたらうれしいですね」。

人間に備わった本来の感覚や自然治癒力は、薬よりも勝る。マクロビオティックは私たちが失いかけた大切なことを静かに教えてくれています。

(2014年6月 取材・文 岸本 恭児)

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