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きちんとした作法を知ろうとすると、堅苦しくなりがちな日本茶の世界。気軽においしさに触れられる隠れ家的日本茶カフェ&バーを見つけました。

湯を沸かす道具も味を決める大事な要素。鉄瓶は湯がまろやかになり鉄分が溶け出しとろみがつくのだそう。水は軟水のミネラルウォーターを使用。「最後の一滴にうま味が凝縮されているんです」と山岡さん。余すことなく注ぎ切ることも最後までおいしく日本茶を飲むためのポイント。

おいしさにつながるしなやかな所作

1煎目はとろりと濃密で舌に残る強いうま味が印象的。2煎目はうま味成分が8割ほど抜け、味に穏やかさが生まれます。3、4煎目になると茶葉が落ち着き、軽やかな風味に。飲み終わった茶殻は小皿に取り、しょうゆをたらりと落として食べるのが結音茶舗流日本茶の楽しみ方です。 「煎茶、冠茶、玉露と種類ごとに蒸し時間や湯温などが細かく異なり、教科書通りに淹れてもおいしいとは限りません。茶葉ごとの個性を見極め、適した方法で淹れないと各々の良さは引き出せないんですよ」と山岡さん。静かに湯を注ぎながら日本茶の奥深さを教えてくれます。日頃から日本茶に親しんでいる年配の人にはやや渋めに、若い人には高温の湯でさっぱりとなど、同じ茶葉でも自在に味をコントロールできるのは特性を知り尽くしているからこそ。五感を研ぎ澄ませ、極上の1杯を導き出します。

日本茶のカクテルは1煎目は普通にお茶として飲んでもらい2煎目をカクテルに。ベースは茶葉によって異なり、焼酎や梅酒など。若緑鮮やかな「大川」の茶殻は即席のおひたしに。苦味のない初々しい味に白いごはんが欲しくなります。

日本茶の奥深さを追い求めて

山岡さんが日本茶カフェ&バーを始める原点となったのは20歳のころ。バーで働いていた時に「日本茶のカクテルを出してくれる店があればおもしろいんじゃないか」と思ったことがきっかけでした。とはいえすでに日本茶の知識や技術を持ち合わせていたわけではなく、本格的に向き合ったのは店を持つことになった30歳の時。いろんなお茶屋をめぐり、見よう見まねで技を習得したと言います。 数ある茶産地の中でも、山岡さんが特に惚れ込んだのは京都宇治。日本三大銘茶の一つであり希少価値が高く、高級品として知られています。日本茶は複数の畑で栽培された茶葉をブレンドして販売されることが多いのですが、こちらでは京都宇治で育った単一畑の茶葉を使い、雑味のないクリアな味を追求しています。 「農家によって栽培方法に違いがあり、収穫した茶葉の印象も全く異なります。作り手は皆自分の育てた味に自信を持っているので、私は畑ごとの個性を大事にし、そのままの味を出したいと思っています」。

ほうじいなりは左から小松菜、長芋わさび、抹茶塩と3種にアレンジ。左から食べ進めて味と食感の違いを楽しんで。日本茶に合うお菓子もオリジナル。お茶をベースにしたさまざまなうま味はほっこり優しい味わいです。

日本茶文化も守っていきたい

仕入れは決まって新茶の時期。香りが高く深い旨みを持ち、舌の奥に余韻を残す茶葉が山岡さんの理想とする茶葉の基準です。鍛え抜いた舌で試飲を重ね、自信を持ってお客さんに提供できる銘品を厳選します。 「直接農家から仕入れるところもありますが、茶葉が値崩れを起こすことにもなりかねません。私は問屋を通してやりとりする正規の仕入れルートを守ることが、ひいては日本茶の文化を守ることにもつながると考えています。最近は手軽なペットボトルがあるために茶葉から離れて本当の日本茶の良さを忘れてしまった人も多くなりました。けれどもお茶の旨みがわかるのは日本人だからこそ。本当のおいしさをもっともっと広く知ってもらえたらと思います」。 夕方からは日本茶を使ったカクテルが自慢のバーに変身。茶葉の持ち味を生かしたオリジナルの1杯が心地良く酔わせてくれます。

結音茶舗のご紹介

ほうじいなり御膳

濃いめに出したほうじ茶で炊いたご飯と揚げでおいなりに。お米の食感と香りを保つため、オーダーが入ってから作ります。手作りのおばんざいは日替わり。

大川(玉露)

ごこうと呼ばれる品種で宇治の在来種。1煎目のふっくらとした香りと濃密なうま味は鮮烈な印象を残します。

玄米茶のくるみゆべし

玄米茶を挽いて粉にしたものを餅に混ぜ、上からもたっぷりふりかけた芳しいお茶うけ菓子。中に忍ばせたくるみが香ばしい。

DATA:

結音茶舗

大阪府大阪市中央区谷町六丁目14-2 路地奥

TEL 06-4305-4926

営業時間 12:00〜深夜24:00(ランチタイム 12:00〜15:00)

定休日 月曜・第3火曜休み

※営業時間・休みに変動あり

http://yui-on.tumblr.com

 

結音茶舗 からのメッセージ

お茶の淹れ方を知りたい人は、オーダー時にお伝えください。簡単にレクチャーいたします。自分で淹れた1杯はまた格別ですよ(ただし混んでいる時は対応し兼ねますのでご了承ください)。

【取材レポート】

山岡さんに家でも簡単に日本茶をおいしく淹れるテクニックを教えてくださいとお願いすると、「おすすめは熱湯氷出しです」とのこと。急須の中に氷をたっぷり張り茶葉を10〜15g加え、そこへ熱湯を注ぎ入れるだけ。湯量によりますが一般的な急須200ccを使用するのであれば蒸し時間は約3分 ボトル700cc以上であれば10分ほど置いてください。手軽ですがきちんとうま味が引き出され、満足できる味になるそう。ただし水道水ではなくミネラルウォーターがベスト。「水道水を使うなら一度沸かし切って、一晩寝かせカルキを抜いたものを使用してくださいね」。

 

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