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日本でジビエ料理がもてはやされたころ、高級食材として一目置かれていた鹿肉。ところが近年、国内での頭数が急増し、鹿は田畑や野山を荒らす厄介者に。食肉として好む人も少なくなりました。しかし本来は栄養価が高く美味な肉。それを広く知ってもらい、食べることで環境保全にもつなげたいと取り組む料理店があります。

シックなインテリアでまとめられた店内。カウンター席、テーブル席のほかに個室も完備しています。

リーズナブルさがうれしい。

「鹿鳴茶流 入舩」は神戸初の鹿肉料理専門店。和・洋にアレンジした料理が、世代を問わず人気を集めています。こちらで使用するのは、害獣駆除で捕えられた兵庫県産の野生鹿・ニホンジカのみ。滅菌処理施設で臭みが出ないように加工されたものを仕入れ、調理方法にも工夫を凝らしているので、鹿肉独特のクセはまったくと言っていいほどありません。メニューの多彩さに加え、驚くのがその価格。ランチセットやディナーの一品料理もほとんどが3ケタとリーズナブル。「鹿肉は高級というイメージも強いですが、もっと気軽に味わってもらいたいというのが当店のコンセプトです」と話すのは店長の津田さん。ボリューム満点ですが、低カロリーのため、ヘルシー志向の女性客も多いといいます。

直火炙りのモモ。冷めてもやわらかな肉質はそのままで、ゆずこしょうやゴマ油で風味を加えるのもおすすめ。下は赤身の旨みを楽しめる、鹿ステーキです。

優れた栄養価を誇るパワーフード。

数あるメニューの中から津田さんにおすすめを聞くと、真っ先に挙がったのは「直火炙り」。ハツとモモに塩・コショウの下味をつけて焼くだけと、シンプルを極めた一品です。鹿肉本来の香りや味わいを知るなら、この食べ方が一番なのだとか。部位別に提供する店は非常に珍しく、希少部位のタンも不定期に入荷するそう。アツアツをさっそくいただいてみると、モモはジューシーでやわらか、ハツは歯ごたえがあり淡泊。脂身がないので、食べても胃が重くなりません。また、優れた栄養成分にも注目。高タンパクで低脂肪、鉄分とビタミンB群を豊富に含み、女性やアスリートにとってはまさに理想的な食材。最近は病院食として採用しているところもあります。

鹿の角や革も無駄なく活用。ボタンやアクセサリーに加工し、系列のアパレル店で販売しています。ニホンジカ革の製品は、非常に軽くてしなやか。老若男女問わず人気です。

おいしく食べて環境づくり。

近年、全国で野生鹿が大量に繁殖し、森林や田畑への被害が深刻さを増しています。なかでも兵庫県は被害が大きい地域の一つ。年間捕獲目標を3万5000頭とし駆除に力を注いでいますが、減少には至っていません。一方では、猟師の高齢化や後継者不足などの問題を抱えています。また、捕獲後の活用も大きな課題。昨年はわずか2000頭分ほどしか有効利用されず、ほとんどが焼却処分となりました。焼却処理施設を整備するのにも税金が必要となるため、頭を抱える自治体が多いのも現状です。同店は、環境にも人にもやさしい方法でこの問題を少しでも解消できればとオープン。「おいしく調理し、食べてもらうことで、自然界への悪影響や農作被害が減り、野生鹿への見方も変わっていくことを願っています」と津田さん。一頭を丸ごとむだなく活用するため、副産物の皮をバッグや洋服、角はアクセサリーにするなどの、企画・製造・販売も行っています。おいしく食すだけでなく、自然資源としての可能性を広げる取り組みが、社会貢献にも繋がっています。

鹿鳴茶流 入舩のおすすめ

日替わりランチ

小鉢、メイン、サラダ、ごはんに麺料理(フォー)まで付いてくるサービス定食。メインはもちろん鹿肉料理が日替わりで登場します。

鹿カツ弁当

ランチ時にはボリュームたっぷりのお弁当も用意してあります。ワンコインでおつりが来る良心的な価格。

鹿串カツ

鹿肉自体があっさりしているので、油で揚げてもしつこさはありません。サクサクの衣でお酒がすすむ一品です。

鹿ステーキたたき風

他ではなかなか味わえない一皿。適切に処理した肉であれば、こんな珍しい食べ方もできます。

DATA:

鹿鳴茶流 入舩

兵庫県神戸市中央区元町通1-9-8 元町マンションビル1F

TEL 078-321-0295

営業時間 11:30~15:00/17:00~23:30

定休日 水曜

URL http://rokumeisaryu.com/

(2015年9月 現在)

 

鹿鳴茶流 入舩 からのメッセージ

お仲間との集まりに満足していただけるコースメニューは、2,000円からあります。鹿肉に合う樽ワインもスタンバイしていますので、お仕事終わりの一杯にぜひ。ご来店をお待ちしています。

【取材レポート】
実は鹿肉が苦手だった記者。以前口にした鹿肉料理があまりにも野性味にあふれ、すっかりトラウマとなっていました。今回取材を申し込んだときに「試食させてください」と申し出たものの、大丈夫かなと心の奥では不安が募るばかり。そしていざ実食のとき。恐る恐る口に込んだところ、すぐに気が付きました。「うん?前とは違う」と。あの鼻をつくニオイがない!食べられる!むしろ私好み!完全に調子に乗って、全メニュー制覇したい気分になりました。鹿さん、今まで誤解していた私を許してね。

 

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